健康と医療費節約のために、禁煙しよう

医療費を節約する究極の方法は、病気の予防です。そのためにも、あらゆる病気の原因となるタバコはぜひともやめるようにしたほうがいいでしょう。 自力での禁煙が難しい人は、健康保険の適応にもなった「禁煙外来」を活用してみてください。


タバコが引き起こす病気はこんなにある!

タバコは、ありとあらゆるがんや病気の重大なリスクファクターです。一般的には「肺がん」のイメージが強いのですが、それ以外でも、胃がんや食道がん、喉頭がんなどと密接な関わりがあります。 国立がん研究センターの研究でも、喫煙は「すべてのがんのリスクを確実に上げる」として結論づけています。

また生活習慣病においても、タバコは重要な一因です。タバコを吸うと血管が収縮するため、血流が悪くなることはよく知られています。特にヘビースモーカーであればあるほど、血管は収縮しっぱなしになりますので、高血圧や心疾患、脳疾患などにつながるリスクが増すのです。

また最近よく聞かれるようになった「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」も見逃せません。これは、おもに喫煙によって引き起こされる呼吸器疾患のことで、息切れや痰、咳などが慢性的に続きます。肺がんにはならなくとも、COPDだけでも十分な死亡原因となり、日本では死因の10位(男性では7位)となっているほどです。

特にいったん破壊された肺胞(酸素と二酸化炭素を交換する場所)は、2度と元に戻ることはありません。こういった病気を引き起こす喫煙習慣は、ぜひやめるべきでしょう。


自力でがんばるよりも、禁煙外来の受診を

とはいえ、喫煙習慣がすっかり身についてしまった人が自力で禁煙するのは、非常に難しいものです。どんなに「やめよう」という気持ちがあっても、ニコチンが入ってくることを前提にしたシステムが体内で作り上げられてしまっているため、ムリにやめると頭痛や眠気、イライラ感などが出てきます。

ですから「禁煙失敗=意志が弱い」というのは、今では間違いだと認識されています。禁煙を成功させるためには、体の中毒症状を緩和させながら段階的にやめていく必要があるのです。

そのために活用されているのが、ニコチン入りのガムやパッチなどです。いきなりニコチンの摂取量をゼロにするのではなく、これらのツールを使って少しずつ減らしていくことが、強い禁断症状の出現を阻止します。

また最近では、「チャンピックス」という飲み薬も広く活用されています。タバコを吸うと、ニコチンが脳内の受容体に結合してドーパミンを放出させるのですが、ドーパミンは快感をもたらす物質ですので、これが禁煙を難しくする原因の1つになってしまいます。

チャンピックスは、ニコチンと同じ受容体に結合して少量のドーパミンを放出させることで、「ニコチンいらず」の状態を作り出す薬です。また万が一、禁煙中にタバコを吸ってしまっても、快感を得られにくくするという作用もあります。

これらのツールは、禁煙外来で処方してもらうことが可能です。長く喫煙を続けている人の場合、禁煙治療は健康保険を使って受けることができます。保険適応となったのも、「長い目で見れば、禁煙してもらったほうが将来的な医療費の節約につながるから」に他なりません。

健康のためにも医療費の節約のためにも、ぜひ禁煙にチャレンジしてみてください。