「保険に入らない」という選択はあり?

日本は、健康保険の加入を義務化している国です。ですから保険証を持たない人は、単に保険料を支払っていないためにその権利がはく奪されている状態なだけであり、誰であれ「保険に入らない」という選択はできないことになっています。


誰もが平等に医療を受けるために

日本は、戦後「国民健康法」という法律を制定し、国民すべてが健康保険に入ることを取り決めました。こういったシステムを「国民皆保険制度」といいます。

ですから生まれた後は、なるべく早く親の加入する保険組合に入ることになっていますし、親のもとを離れた後はみずから保険料を支払う必要があります。この点において、私たちには選択の自由はありません。

「保険に入らないという選択ができないなんて、あまりにも横暴だ!」と思われるかもしれませんが、誰でもいつどんなケガや病気をするのか分からないのが人生です。もしも国民皆保険制度がなかったら、お金に余裕のある人だけが医療を受けられることになってしまいます。

みんなが保険料を支払うことで、誰もがいざという時、平等に医療を受けられるようにするのが健康保険の趣旨です。そのありがたさは、自分が病気をした時に分かるのかもしれません。

ちなみに国民皆保険制度のない国といえば、アメリカが有名です。アメリカでは、一部の人をのぞいて公的な保険に入ることはできず、それぞれ民間の保険に加入する必要があります。しかし保険料を支払えない人も多く、実際は5,000万もの人が無保険状態だといわれています。

しかも保険会社にとってはあくまでビジネスですから、「持病のある人の加入は断る」ことも珍しくありません。オバマ大統領は、この事態を何とか改善しようと努力をしていますが、保険会社などから妨害を受け続けています。 そんなアメリカは、まさに「富裕層だけがいい医療を受けられる」国なのです。


無保険者が増えたのは、保険料の高さが原因!?

日本の保険制度は、世界の中でもかなり恵まれていることで知られています。海外には、医療費がほぼ無料になっているところも多く見られますが、そのぶん病院を選ぶ自由がなかったり、受診は完全予約制だったりすることが一般的です。

それに比べて、日本では2~3割の負担で、基本的にいつでも好きな病院にかかることができます。日本人の平均寿命が、戦後、世界のトップに立つまでに延びたのも、国民皆保険制度が行き渡ったことが一因と考えられています。

一方で、保険料を支払わない人が増えている背景には「国民健康保険(国保)の高さ」という問題があります。確かに国保の料金は、所得から見るとかなり多く請求されますし、少子高齢化によって今後ますます厳しくなっていくことも予想されています。 保険料で家計がパンクしてしまうことがないよう、何らかの対策が求められているのもまた事実です。